BLOG ブログ

KIT

絵付け体験キットはこちら

絵付けのモチーフについて

「絵付け」のモチーフになる図案と言えば、昔から花や葉に始まり、鳥や虫、魚等の生き物、また動物や人物等になります。海外の名陶であるマイセンやジノリロイヤルコペンハーゲン、ヘレンド等で描かれてきた絵になります。色々な国でいわゆる食器に絵を施す文化が定着し、その文化が伝承されたのです。


 まずは、写実的な表現方法で代表的なモチーフの花の描き方についてお話します。最初に花の構造を考えてみるのが重要です。まず花の中心にあるおしべとめしべ、取り囲むように花びら、その下の花を支えるガクの位置を見ます。花びらはサクラやスミレなどは5枚、バラやラナンキュラス等は数えきれない程、花びらがあります。花の中心に点を打ち、その中心点から円を描いて花びらを収まるようにします。花びらは丸みをおびているので、中心から内側に丸めたり外側に外らしたりして形をとります。光の当たる方向を意識すると、明るく光るところ、影になって暗くなるところがわかります。同じ色で表現する時も
光を意識して濃淡で表現するとよりお花の存在感がでます。また葉に関して言えば、バラのように葉が左右対になってついていますが、キクは1つの節に1枚の
葉が付いています。葉の付き方、枚数、形、つや等、種類によって違うのでよく
観察することもおすすめします。


 では実際に、白磁の絵付けのモチーフとして描かれることの多い花、アネモネを描いていくとして、どんなことに注意
して描いたらよいかお話したいと思います。アネモネは品種も多く色味も豊富です。赤やピンク、紫、白、青などがあり、大輪から小輪まであります。また
一重咲きや八重咲きもあります。

アネモネは、花びらと中心部の色の対比が美しいのが特徴です。この花びらに見える部分は、じつはガクで、アネモネの特徴の1つとなっています。
まずはスケッチからです。花の軸となる中心に点を打ち、それをぐるりと囲うように円を描きます。花びらの数を数えて中心点を通るように線引きし、アタリを
付けていきます。内側から1枚ずつ、花びらを足していき、柔らかな表情がでるようにぼかします。おしべめしべと多数あり、形を整えながら描き足します。
茎は少しカーブがかった細長いのが特徴です。

葉はギザギザした小さな葉が集まっている形です。スケッチでは細密に描くのではなく、ラフ画程度で、アネモネの全体の形を色々な角度から描いてみることをおすすめします。次に丸いお皿に描くのか、四角いお皿なのか、またはコーヒーカップのようなわんきょくしているものに描くのかによって構図を決めます。余白とモチーフのバランスを考えながらアネモネを配置し、描きすぎた場合は花や葉を消去してスッキリとしたデザインに直します。デザインが決定したらトレーシングペーパーに写して白磁に下描きします。
絵付けの1回目は形を面で取り、濃淡をつけながら花びらの隣同士になるところは色の濃さを変えて、また、中心部は濃いめを意識してふんわりとした仕上がりにします。花芯部は細い丸筆で、花びらは平筆4号〜6号でグラデーション技法で描きます。オイルは水溶性メディウムが良いかと思います。速乾性のものを使えば、水を少し加えると乾燥する時間が早くなるので、その性質を利用して濃淡を表現しやすくなります。1度焼成した白磁には、次の絵具が塗りやすくなる性質があるため、色に深みを持たせたい時は2回〜3回の焼成工程を経て作品を仕上げることをおすすめします。
 
 私が花を描く時に心掛けていることはなるべく本物のお花を観察すること!です。花束をいただいたりした時は、ラフなデッサンをスケッチブックに残しておいたり、画像を色々な角度から撮影したりして、後で見返すことができるように
しておきます。また植物園に出かけた時にもお花のアップ画像、全体像がわかる
画像を撮っておいて参考にすることがあります。また、フリー画像から必要なアウトラインを紙におこして、更にデザインを新たに加えてもよいかと思います。
また、北欧デザインのようにパーツがデザイン化されたものを制作する場合は、
いわゆるベタ塗りで、濃淡を考えずに塗っていく方法もあります。写実的に表現するのか、デザイン性で表現するのかを最初に決定することが大事です。全く制作工程が異なるからです。

更に、絵付けで重要なのは、絵付けてよい器なのかの判断です。例えば、ショッ
プに大量に販売されている白磁であれば、無許可で絵付けても大丈夫ですが、
作家さんの白磁、または商品としてロゴ入りの物に絵付けたい場合は、許可取りが必要かと思います。一般的には市販の白磁に絵付けるのが主流になります。
絵付けの魅力は、既製品の器に気軽に絵を描いて楽しめるところと言えます。
紙に絵を描いたとしても保存状態が悪ければ、色焼けしたりして、描いた時の状態を保つのが難しいです。絵付けは丈夫な器に焼き付けてますので、色合いもずっと保つことができ、割らない限りは永久に保存できます。自分の描いた器に囲まれて生活することは、彩りを添えることができます。

CONTACT お問い合わせ

絵付けの方法や商品に関する疑問点は、
お気軽にお問い合わせください。

CONTACT お問い合わせ

メールアドレス: info_etsuketaiken@kanaeru.net